短鎖脂肪酸とは
短鎖脂肪酸とは、大腸で腸内細菌によってつくられる有機酸です。
短鎖脂肪酸をつくる代表的な腸内細菌には、ビフィズス菌があります。
オリゴ糖や水溶性食物繊維を発酵することでつくられる短鎖脂肪酸には、有害物質を生み出す悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を整える作用があります。
大腸を健康な状態に保つためには不可欠な存在といえます。
そんな短鎖脂肪酸が不足するとウイルスや病原菌に感染しやすくなったり、病気が治りにくくなったりするとされます。
その一因として考えられるのが、大腸のバリア機能の低下です。
短鎖脂肪酸は、結腸の粘液分泌も促進しています。
腸の中の便と腸管壁の間には粘液の層があり、ここに水が分泌されると滑りやすくなります。
この粘液層によって便がスムーズに腸内を移動できるだけでなく、便が腸管壁に直接触れることもありません。
つまり、便に含まれる細菌が腸管壁から侵入することを防ぐバリアとしての役割も担っているのです。
そのため短鎖脂肪酸が不足すると、便が粘液でコーティングされない状態で軟便や下痢便となり、バリア機能が破綻すると腸管壁から病原菌の侵入を許してしまうことになり、病気に罹りやすくなります。