腰の痛み

主に腰痛の原因は、「筋肉の使い過ぎ、正しい姿勢で筋肉が使えていない、小さな痛みを放置していた」の3つ。
重いものを持ったら激痛が走ったなど、原因がはっきりされている方は意外に少なく、多くの方は、直接の原因が分からないといいます。実は、腰の痛みの一つは、蓄積性・反復性といわれるもの。靴下やズボンを履いたり、顔を洗う、くしゃみなど、日常の動作をしているだけなのに、急に腰痛を発症するのが特徴です。例えると、満杯のコップに最後の一滴が落ちた瞬間、水があふれ出した状態です。
多くの原因がある中で、日常動作が引き金となるケースで「ぎっくり腰」と呼ばれています。

長時間座っている、立ちっぱなしなど、同じ体勢が続く方も要注意。筋肉の状態が良ければ問題ありませんが、体勢を維持するために、左右差が生じたり、筋肉が多くのエネルギーを使うため負担がかかった結果、蓄積性の炎症になります。加えて、スポーツをする方は、オーバーワーク（使い過ぎ）やミスユース（使い方の違い）が腰痛の原因となることもあります。

腰というのは、上半身の筋肉と下半身の股関節周りの筋肉が集まってくる場所です。だるい、重い、張る、むくむなど背中や股関節、脚にまず症状が出た場合でも、最終的に腰痛となるのは、この理由からです。
痛みが出た直後は冷やす、固定、安静が大事ですが、その後は「腰に集まってくるまわりの筋肉をいかにはやく復活させるか」がポイント。いろいろな方法がありますが、考え方の一つとして、腰周辺から施術を行い、中心に向かって状態を良くし、運動させていくイメージです。

また、腰というと背面のみと思われるかもしれませんが、からだの中で唯一、上半身と下半身をつなぐ筋肉の腸腰筋が、からだの前面にあります。腰の関節と骨盤、脚にわたる筋肉で、デスクワークなどで長時間座っていると、脚の付け根（股関節）の部分が縮んで硬くなります。負担のかかることが多いので、腸腰筋のある前面をほぐしてしっかり動くようにすることも、腰痛対策には大切です。

日常生活で痛みのない程度に「安静」を。加えて、コルセットを正しく使用しましょう。コルセットは腰をサポートしてくれるアイテムですが、つけ続けるとお腹や腰の筋肉が落ち、体の一部のようになってしまうケースがあります。その状態でまた腰を痛めてしまうと、さらに補強が必要となるので、コルセットをつける期間や時期を見極めることが重要です。